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エージェントブログ
2022.02.06
不動産従事者の高齢化が進んでいる。
新卒が憧れるような華やかなイメージは乏しく「休みが少ない・労働時間が長い・ノルマが厳しい」などのブラック企業としての要件は充分に満たしていることが理由だろう。
私が新卒者に「不動産業って噂通りに厳しいのですか?」と質問されれば、残念ながら頷くしかない。
世の中どんな仕事も厳しさはある。
不動産業の場合、入社から独り立ちできるまでの半年~2年目までが一番厳しいのではないだろうか。
まず覚えることが多い。
宅地建物取引士の資格試験出題範囲、つまり宅地建物取引業法・民法・建築基準法・都市計画法・税法・法令上の制限の基礎は少なくても頭に叩き込んでおく必要があるし、接遇・不動産調査・各種書類作成などの実務的なスキルも同時に学ばなければならない。
業者により異なるが、上席のフォローを前提としても実際に顧客を担当できるまで最低で半年。
単独で顧客対応ができるようになるまでは1年以上先といったところだろうか。
人数の少ない会社であれば、いきなり現場に放り出されることもあるのかも知れぬがそのような状態で高額な財産を扱えば、待っているのは大きな失敗である。
金額が高額なだけに、失敗すれば顧客から罵倒されるのは当然として、悪ければ訴訟さわぎにまで発展する。
脅すわけではないが、知識は顧客と自分自身を防衛する「鎧」であるからたとえ防御力が低くても最低限の理論武装は必要である。
入社する会社や個人にもよるのだろうが、最初の試練段階で心が折れる。
このような背景からだろうか、経産省が公表している不動産就業者の年齢構成は下記図のような状況である。
2015年までのデータまでしか確認できなかったが20~40歳の年齢層は年を追うごとに減少している。
逆に60代以上が上昇しているのは面白い傾向だ。
そのような中で数少ない若手が、不動産会社に入社したアンケート結果がダイヤモンド不動産で公開されていた。
(1)生活インフラに携わる仕事がしたい
(2)以前からインテリアに興味があり、近い仕事ができると感じた
(3)子供の頃からチラシやネットで間取りを見るのが好きだった
(4)お客様の一生に一度のお買い物に携わりたい
(5)自己啓発の一環として宅建士試験に挑戦して合格したから
(6)営業として高額な商品を扱いたい
(7)稼ぎたい
私は「稼げる」という募集広告に踊らされて入社し地獄を見たが、稼げるはアンケート結果で7位である。
1~6位までは模範的な理由だ。
このような素晴らしい目標を持って不動産業界に加入した若手には是非とも頑張ってもらいたい。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹