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エージェントブログ
2023.05.06
不動産業界においてもDX化の波が押し寄せている。とくにChatGPTの活用方法については業界セミナーなどもさかんに開催されている。
ご存じのようにChatGPTはOpenAIが開発したAI技術の一つであり、2020年6月にリリースされそれ以降、各種メディアで度々話題になっている。
名称にChat(チャット)が用いられているからといってたんに「お話」相手として利用するものではない(無目的なお話にも対応してくれるが)
ChatGPTはジェネレーティブAI技術を根底としており、与えられた指示テキスト(質問など)にたいし応答テキストを自動生成してくれる。得意とするのは多言語を用いた膨大なオープンソースを利用した論理的なテキスト生成である。
私はリリース当時からChatGPTを利用しているが、将来的な可能性を含め、より有効な活用方法を模索するため大学研究室による論文に目を通したり各種のセミナーなどに数多く参加している。
IT導入については、他業種と比較して「後発」であると指摘される不動産業界に席をおいているが、個人的には海外の導入事例なども含めかなり先進的な「知見」を有していると自負している。
不動産DXについて様々な版元にコラムなどを寄稿してきたからだろうか、レギュラーとして定期的に寄稿している「不動産会社のミカタ」荒川社長から「ChatGPTについて執筆して欲しい」という依頼をうけ、これまで学んだ知見を棚卸しして、さらに補完すべき内容について調査をおこない10,000字にも及ぶコラムを仕上げた(近日掲載開始)。
あらためて述べる必要はないかも知れぬが、不動産営業がルーティンワークとして行っている業務の大半は、すでに実装されている様々なシステムを駆使すればほぼ労力をかけずに行える。
たとえば不動産調査について言えば、法務局や役所回りなどは押印された原本が必要であるという理由以外ではほぼ必要のない行動なのだ。
境界や近隣情況、経年変化の実態を確認するために現地踏査を省くことはできないが、予備調査や資料の収集などについての大半は、私の場合、仕事場としている書斎で完結する。
そのようなときに必要な調査内容や注意点などについても、ChatGPTへの指示テキストを入力する「コツ」さえ把握していれば、論理的で不平不満を言わない優秀な秘書やアドバイザー役として利用することができる。
であるが、生成されるテキストは論理的で「ソツ」がない出来栄えではあるものの、オープンソースを利用していることから偏りが生じ、精査しなければ誤った内容になっていることが多々ある。
あくまでも「補完」のために利用するという前提を崩さなければ問題はないのだが、そのような「違和感」を感じ取れるかどうかは、利用する当人の読解力や知識、知見が必要とされる。
ChatGPTを含め不動産DXを活用すれば、業務効率化を実現することができ、それによる空き時間が生まれる。
創出された空き時間が有効活用されていれば業務効率が改善され実績もあがるはずなのだが、良かれと思い導入した企業に聞くと思ったほどに業績には反映されていないようだ。
それもそうだろう。
人間は根本的に「楽」をしたい生き物なのだ。
業務効率化によって生み出された空き時間を「浪費」するかどうかは、当人の目的意識に依存するところが大きい。結局のところ成長する人間は常に「学び」、淘汰される人間は与えられた環境を享受し自らの成長を放棄する。
不動産DXの進展により駆逐されるかどうかは、結局のところ当人次第だということだ。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹