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エージェントブログ
2021.10.05
ブログタイトル「鶏口となるも」に続くのは「牛後となるなかれ」である。
これは史記にある蘇秦列伝に残されている言葉だ。
曰く「大きな団体で人のしりについているよりも、小さな団体で頭になるほうがよい」ほどの意味であるが、長いものに巻かれず己を持てとも解釈もできる。
コロナの長期化により、労働環境や働き方にたいする意識も変化し、企業によっては「副業」を推奨している。
だが、所属する企業の大小を問わずに、サラリーマンが「副業」と言われても、何をしていいいか戸惑うものだ。
報酬の対価となりうる特筆した技能でもあれば良いが、一般的なサラリーマンで「競合禁止規定」を遵守したうえで、そのような「特技」を持ち合わせている方は多くないようだ。
私がのんべんだらりと、適当な文章を書いて報酬を得ているからだろうか、時たま「どうしたらライターになれるのですか?」などと質問を受けることがある。
はた目からみてラクして稼いでいるように見える執筆業務はであるが、実際は見た目ほどにラクでもない(ネットで検索すると、専業ライターの平均年収は200万円前後であるとか……)
もっとも、私程度の筆力でもそれなりの報酬を得られるのであるから、質問者ほどの見識と教養があれば社会に役立つ文書も提供できるであろうと、拙い知識で御指南申し上げる。
はばかりながら意見すれば、文章の上達は「意識しながら、とにかく量を書く」ことである。
意識しながら、であるがこれは自分が好きな作家などの文章を「真似る」ことから始める。
真似ることは恥じではない。
私が敬愛する作家_浅田次郎氏も、三島由紀夫などの文章を模写して、表現や文章のリズム、句読点の位置などを学んだと言っていた。
何も考えずに素晴らしい文章が書ければ、それはそれで素晴らしいけれど、そんな才能はごく一部の天才と言われる人たちだけが持ち合わせている才能だ。
凡人は望むべくもない。
だから、真似る。
真似ているうちに、違和感に気がつく。
どうやら自分が書きたいことは、「真似ているだけでは表現しきれないぞ」と気付く。
そこで自分なりに創意工夫を始める。
いわゆる守破離(しゅはり)である。
ちなみに守破離とは、いわゆる「道(華道・柔道など)」の修行段階を表す言葉であるが、師に学びて基本の「型(守)」を学び、「破」で、あまたある他流の型を柔軟に取り入れ、「離」において独自の型に至るほどの意味だ。
偉そうに書いてナンだが、私なぞいまだ「守」の入り口と出口をさまよっている段階である。
もっとも「副業」を目的とした文章修行の話であったから、無理をして「型」を求める必要もなく、修行しつつも手っ取り早くサイトに登録して仕事を受注してしまえば良い。
この場合のサイト登録とは
クラウドソーシング「Lancers」やクラウド「Works」であるが、これらに登録して自分が書けるテーマの文章を受注することだ。
募集されている仕事を見れば一目瞭然ではあるが、執筆量は安い。
書き手のレベルにもよるが、1文字単価で「0.2円~1.0円」程度である。
2円以上の募集もあるが、それなりの筆力や実績があるか、もしくは何らかの専門性を有していなければ応募しても採用されない。
で、あるから当面は「0.2円~1.0円」の文章を、セコセコと書きながら実績を積むことになる。
さらにこれらのシステムは、基本的に発注者から費用は徴収しない。
システム運営費は、受注者が負担する(だいたい20%が報酬から天引きされる)
文章修行の身なれば致し方がないかも知れぬが、一所懸命に3000字程度のコラムを書き上げても、報酬は「600~3000円」、さらにシステム手数料がそこから差っ引かれる。
3000字といえば、原稿用紙換算で7枚程度と考えてしまいがちだが、あくまでも文字数であるから、推敲段階で文字を削減することを勘案すれば、原稿用紙換算で概ね9枚程度は書かなければならない。
日頃から文章を書きなれているならいざ知らず、小学校の読書感想文などで原稿用紙2枚程度を悪戦苦闘して書いた経験しかなければ、なかなかにハードルが高い。
さらに、クライアントによってはけっこうなダメ出しがでる。
少ない報酬で、初回から面倒なクライアントに当たると「やってられるか!!」となる。
これも試練であるから、致し方がないとも言えるのだが……
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹