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エージェントブログ

2021.11.04

【資格の死角】

不況になるほどに資格ビジネスが盛況になるらしい。

 

とくに勤勉で地頭も良いが、柔軟性に欠け年功序列で役職と給与が上がってはた目から見れば順風満帆な人ほど、人件費抑制と世代交代を目論む企業から閉職部門への移動辞令を受ける可能性が高まる。

 

そのような扱いを受けると

 

「見くびりやがって。俺はこんなところで終わる男じゃない!!」と一念発起して隙間時間に勉強に勤しみ、税理士や社労士などの難関資格に合格する。

 

素晴らしい!!

だが……それはそれで素晴らしいのだけれど、資格を取得したからといって「独立開業して稼いでやる」とばかりに、早期退職制度の恩恵として割り増しされた退職金をつぎ込んで開業するのはお勧めしない。

 

資格試験の最高峰は司法試験だが、この難関資格でさえ合格したからといって仕事が舞い込んでくる訳ではない。

 

独立開業して仕事を得るためには営業活動をしなければならず、○○部長とチヤホヤされていた人が、仕事を得るために個人のクライアントはもちろん個人事業主や中小企業などに頭を下げなければならない。

 

ところが、これが難しいらしい。

らしい……というのは、私の場合そのような感覚は持ち合わせていないからだ。

 

 

もちろん生きていくうえで一定のプライドは必要であるし、信念を捻じ曲げてまで迎合するのはいかがとは思うが、それにしても起業し、業績が安定するまでの間はプライドなんて何の役にも立たない。

 

私のようにヒエラルキーの底辺をスキップしながら歌い、跳ね回っている人間は生い立ちからしてお気楽体質なのだが、哲学者であるアランは「幸福論」の中で

 

「悲観主義は気分の問題であり、楽観主義は意思のものである」と喝破したとおり、お気楽体質でいるにも強い意志が必要とされる(自覚はないが、そうらしい)

 

これは単純明快に「何とかなる」という思い込みであり、ハードボイルド調に表現すれば「殺られてたまるか!!」の精神だ。

 

このような悟り?に至れば、苦労して得た資格を生かすことも充分にできるだろう。

 

営業活動で芳しくなくても、空を見上げてニコッと笑い「さ、次にいこう」と動き出せる。

 

話を戻すが、国家資格の中ではそれほど難易度が高いとはいえない宅地建物取引士ではあるが、資格を取得したからといっていきなり開業するのはヤメておいた方がよい。

 

少し歩けば、いたるところに目にするコンビニよりも数が多いのが宅建業者だ。

 

実務経験やノウハウもないのに、そのようなレッドオーシャンに飛び込む勇気は賞賛に値するが、まず間違いなく溺れる。

 

資格の有無より、人間性や実務経験、何かあった時に頼れるネットワークが成功の秘訣とされる不動産業。

 

独立開業する前に、エージェントとして実務を経験することをお勧めする。

動画をご覧になってから考えても遅くはないだろう。

 

記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹