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エージェントブログ
2023.01.30
住宅を購入する場合に限らず大規模な改築や建て替えなどの際には大きな資金を必要とする。
その際に利用されるのが住宅ローンだ。
2022年12月に行われた金融政策決定会合により日銀が長期金利の引き上げを決定したが、それに伴い2023年1月から各金融期間の呼応し固定金利の引き上げている。
固定金利は10年国債の影響を強く受けるが日銀は市民や民間企業への影響などを考慮し、これまで国債の金利が0.25%を超えることがないよう「指値オペ」を実施してきた。
であるが金利の基準が0.5%へ引き上げられたことにより、事実上の利上げと判断した大手行を中心に固定金利が引き上げられたのだ。
私が活動する札幌市内新築分譲マンション価格平均は4,700万円とされており、中央区だけをみれば6,500万円と言われている。
建築資材などの原材料や燃料費の価格上昇が主な原因ではあるが、建築用地の価格上昇もまたその原因である。
これに呼応するように中古市場も値を上げ、さらには金利の上昇である。
一般的なサラリーマンが住宅を取得することじたいが困難な時代になりつつある。
住宅ローンを借りるには、当然に各行が定める基準を満たしている必要がある。
勤務属性や返済負担率(月々の住宅ローン金額が所得に占める割合)のほか、年齢や家族構成などだ。
あたりまえの話だがローンの期間が長くなれば、金利負担の総額は上昇するが月々の支払額は下がる。
そうなれば返済負担率が減少するので融資が借り入れやすくなる。
であるが、昨今の住宅価格の上昇などを鑑みれば、若い自分においそれと購入することはできない。
であるが住宅融資には完済時年齢、つまりローンを完済する時点の年齢上限が定められており35年の期間を選択したければ完済時年齢から逆算しなければならない。
完済時年齢が50歳であれば、35年融資を組める年齢は45歳未満でなければならないという理屈だ。
それ以降は年齢が進むにつれ融資を組める期間が減少していく。
あまりオススメはしないが、自己資金を用意せずフルローンで住宅を購入することもできるが、なんせ現在の不動産市場である。
返済期間が短くなれば月々の負担も厳しくなる。
勤務属性や所得が良ければ返済負担率も40%程度までみてくれる場合もあるが、もともと返済負担率の適正値は20%程度であり、それすらも個人差がある。
住宅ローンの支払だけで汲々としては、何のために住宅を購入するのか分からなくなる。
旅行にもいきたい、外食もしたい家具も買い揃えたいし車も乗り換えたい。
そのような希望も、ある程度満たせてこそ日々の暮らしが充実するだろう。
そのような点を考慮すれば、住宅ローンの月々支払額はできる限り抑えたいであろうし、そのためには最長期間を選択できる年齢までに購入する必要がある。
だけど現在の住宅価格が……と考えればジレンマもあるだろう。
そのようなジレンマで購入機会を逸した方向けに、覚えておいていただきたいのが住宅金融支援機構が提案する「リ・バース60」である。
満60歳以上の向けの住宅ローンで毎月の支払は利息のみ、元金は主たる債務者の死亡時、相続人により一括してご返済するか担保物件(住宅および土地)の売却によりご返済するという商品だ。
何やら「命を担保に金を借りる」ような印象を受けるかもしれないが、これはどの住宅ローンでも同じである。
主たる債務者に何かあった場合、残された家族が支払いをしていくことは大概の場合ムリであろうから団体信用生命保険への加入は、フラット35を除き強制加入とされている。
つまり通常の住宅ローンにおいても、物件とあわせ命も担保にしているのだ。
「リ・バース60」はその特性から要件もなかなかに厳しいが、平均寿命が伸びた現在であれば60歳などまだまだ働き盛りである。
一考してみる価値はあるだろう。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹