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エージェントブログ
2023.02.18
前回と前々回、RE/MAX Conventionの旅風景についてかなりフザケた内容で投稿したので今回は真面目にいくとしよう。
内容は題名のとおりであるが、不動産エージェントには結局のところ幅広い知識は必須であるという点についてである。
もっとも不動産業界に限った話ではない。
確かにGoogleや、いま話題のChatGPTなどで検索すればそれは見事な回答をしてくれる。
試しに「不動産業者の定義とは」なんて文章を打ち込むと、論文試験であれば模範解答とも言える論理展開でOpenAIが回答してくれる。
私が子供時代に大好きであった「鉄腕アトム」の誕生や、開発されれば全財産を投じても購入しようと決めている「ナイト2000」なども近い将来で夢物語ではなくなっているのだろうと思う。
であるが「まてよ……」とも思う。
確かにこれらのツールを駆使すれば、知識格差など問題にならないのかも知れない。
であるが机上理論と実践経験には、大きな隔たりがあるのもまた事実である。
車の教習本を熟読し運転方法や機械構造を理解したところで、いきなり運転ができる訳ではない。
やはり教習所内の安全なところで運転を行って感覚をつかみ、補助者に同乗してもらい路上に出なければすぐに交通事故をおこすことだろう。
つい先日「マンション売却を有利にすすめる方法」なる記事の監修を手掛けたところ、不動産経験のないライターが「不動産業者によっては、他の仲介業者で手数料をマケてくれるといったなどを交渉材料にすれば、マケてくれる可能性が高いでしょう」と書いていたので「そのような根拠はありません」とコメントを追加した。
例えば私のようなひねくれた性格の持ち主は「出会い頭に媒介報酬は下がりますか?他社では半額にすると言われたのですが」なんて言われれば「それならそちらの業者さんに依頼されたら良いんじゃないですか?」と平然と切り返す。
気持ちはわかるが仕事にプライドを持ち、顧客の利益を最大限に得ようと頑張っているプロにたいして失礼な言い方である。
であるが似たような記事は散見されるのも事実である。
私は必要に応じネットでの情報収集も行うが、知識を得るための手段としては「本」を推奨する。
本はジャンルにより「実用書」「娯楽書」「教養書」に大別されるが、私がもっとも重きを置くのが教養書である。
実用書は「相続はこの一冊で大丈夫」「不動産丸わかり読本」など、私達不動産業者にとっては「仕事上強制される本」であり、私の常に手元から離さない「判例六法」などもそれにあたる。
それにたいし教養書とは、別段、読まなくても良い本であり、言い換えれば「自分の決意と努力によって読む本」である。
自分の生活を高めよう、豊かにしようと決断し努力する意思がなければ無理をして読む必要などどこにもない。
このような本は例えばモンティーニュの「エセー」やマルクスの「資本論」のほか「論語」などが該当するのだろうが、これらは読まなくも生活に影響を及ぼさない。
であるが実用書や安易に入手できるネット情報だけを読むのではなく、無理をしてでも教養書を読む習慣を身につければ、少しだけ納得のできる生き方ができるのではないだろうか。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹