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エージェントブログ

2022.03.15

【組織から個へ】不動産業者が続々とエージェント制を採用する理由

「住宅新報」という会社をご存じだろうか?

 

不動産・住宅関連のニュースや書籍・セミナー等を展開する総合サイトなのだが、不動産に関するコラムをあちらこちらに節操なく下記散らかしていることから少なからず接点を持っているが、そうではなくても情報収集のために毎日、不動産に関連する主だったサイトは閲覧するよう心がけている。

 

そのような目的からサイト検索を実施していたところ、下記のような記事が目に止まった。

まさに自分がRE/MAXエージェントとして「個」で活動をしているのだから興味深い。

 

記事では冒頭で

 

「不動産仲介業に変革の兆しが見え始めた。従来は不動産会社側が顧客の営業担当者を決めるのが一般的だったが、近年は売主や買主が担当者を直接選ぶシステムが登場してきた」とある。

 

今更の感もあるが、読みすすめると数社のエージェント制を導入している会社が紹介されていた。

 

まず東京都港区のTERASSという会社

2020年にユーザーが自分に合ったエージェントを見つけることができるマッチングプラットフォーム開設し、順調に登録するエージェント数を伸ばしているとのこと。

 

せっかくなのでホームページから確認すると………

 

経験豊富で優秀なエージェントを、あなたの条件・希望に沿ってアサインしますとの文字が。

 

アサインは「任命する」もしくは「割当する」という意味だったはずだが………

 

顧客がエージェントページを見て指名する方式ではないの?

 

よくよく見ても、エージェント一覧などの紹介ページすらない。

 

普通に不動産業者に連絡をして「お電話ありがとうございます。担当の〇〇で~す」と、会社から担当割された営業マンが連絡してくるのと何が違うのだろうか?

名刺に「エージェント」と刷り込んであるだけの単なる営業マンなのか、それとも完全歩合給の営業マンをそのように称しているのかよく分からん。

しかもサポート体制の中に見込み客の集客なる「集客サポート」まで盛り込んでいる。

 

独立採算のエージェントが、加入当初もっとも苦労するのが集客であるからそれをサポートしてくれるのは確かに有り難い。

 

であるが同時に「何か違うのでは」とも思ってしまう。

 

フェイスブックやブログ、各種経営者組織やサークルなどへの加盟を通じて信頼を得て「アナタだから私の大切な不動産をまかせたい」と言われるのが、エージェントの醍醐味だ。

 

「個」としての繋がりを大切に、だからこそクライアントの要望にとことん付き合い、そして寄り添う。

 

詳しく調べたわけでもないし、別段、この会社に恨みがあるわけでもないのだからどうでも良いのだが、アサイン・集客サポートの文字を見るだけで何とも不思議に思えてしまう。

 

それでも約300名のエージェントが登録されているのだとか。

 

また三菱地所リアルエステートサービスも経験豊富な担当者を選択できるマッチングサイトを来月開設するらしい。

 

神奈川県横浜市にあるリストインターナショナルリアルティという会社でも2021年4月から「不動産エージェント制度」を導入しているようだ。

 

背景に営業マン個人の力を重視する中古市場の拡大と顧客意識の変化があるのだろう。

この場合における個人の力とは「一般的な仲介者の知識を超え、建築、税務、金融など高度な知識の供与」であり、さらに「個」として業務を受任することにより、信頼を裏切らないようこれまで以上に高い専門性と倫理性に基づいたサービス提供を行うことにつながるから、不動産業界全体の底上げにも期待できるのであるが………

 

それにしてもアサインはないだろう

 

記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹