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エージェントブログ
2023.03.06
電気料金の値上げに歯止めがかからない。
燃料輸入市場における価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整額」が撤廃されたのが主な原因であるが、原子力発電所の稼働停止以降、もっぱら電力は火力とLNG発電で賄われている。
むろん水力や風力、太陽光発電など再生可能エネルギーの発電設備設置台数も増加しているのだが、いかんせん発電効率や安定供給などの問題もあり供給電力の20%がせいぜいである。
もっとも上昇と続けているのは電気料金だけではなく、食料品などを含む全ての物品が値を上げている。
原因は主に2つで、1つ目が電気代に代表されるエネルギーや原材料費の高騰、もう一つが円安の影響による輸入コストの増加である。
それにしてもである。
私の活動拠点である北海道では「北海道電力」のシェア率が、他の新電電などを圧倒しているが、日本で最も高い電気代だと言われている。
その高い電気代が燃料費調整額の撤廃を根拠として前年対比30%程度の「値上げ」を見込んでいるのだから、市民団体なども黙っていない。
燃料費高騰を理由に電気料金の引き上げをしたい「北電」との間で喧々諤々やりあっている。
北海道を含む寒冷地は冬場の暖房を欠かすことはできない。
私の自宅は暖房・給湯は天然ガスを利用しているが、それでも月々の電気代は2万円をかろうじて下回る程度である。
不要な電気は「消す」ことを心がけてはいてもこの金額であるから、暖房・給湯まで含めすべてを電力に依存するオール電化住宅は悲惨である。
一戸建ての場合、月々の支払いが10万円を超えたとの声が相次ぎ、まさに「悲鳴」を上げている状態である。
とはいえ、暖房を使用しなければ「命」にかかわる極寒地帯なのだから節電にも限界がある。
このような状態であるから既築市場でもオール電化住宅を敬遠する動きが増加している。
私はオール電化住宅を紹介する場合には必ず太陽光発電システムや蓄電池の採用を提案するようにしている。
自慢するほどのことでもないが、かってNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究員として「太陽熱(光ではない)利用による給湯・暖房エネルギー削減」研究に関わっていたこともあるので、それなりの知識を有しているからだ。
泊原発を再稼働すれば「電気代を下げることができる」と北電が主張しているが、安全面など様々な問題により再稼働の目処はたっていない。
であるが最長60年としていた原発の運転期間を実質的に延長できるとする法案はすでに閣議決定され、各電力会社は再稼働に向け準備をすすめている。
ここで原発の是非をのべるつもりはないが、このまま電気料金が上昇を続ければ市民の生活を逼迫させることは必至なのだから、再稼働はある意味において仕方がないという側面はあるだろう。
問題は再稼働後に、いかに速やかに代替エネルギーのシステムへシフトしていくのかであるが、どうもその方向性にたいして真剣に取り組んでいるようには見受けられない。
「再稼働ありき」で議論がすすめられている。
不動産のプロである私たちエージェントは、現実を踏まえ再生可能エネルギーシステムの提案なども含めた総合的な提案のできる知識が不可欠なのだろう。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹