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エージェントブログ
2023.02.01
令和5年1月31日に開催された国の審議会において、増え続ける管理が不十分な「空き家」を新たに「管理不全空き家」に指定し行政指導が行えるよう法律を改正する方針が固められた。
もっとも予定されていた対策であるから、ある意味では予定調和だとも言えるだろう。
空き家対策をめぐっては、2015年に施行された「空き家対策特別措置法」でそのまま放置すると倒壊する危険性があるなど特に危険性が高い物件を「特定空き家」に指定し、撤去などができるようになっているが全国でおよそ350万戸以上とされる空き家のうち、昨年度までの7年間で特定空き家に指定された数はおよそ4万戸、そのうち行政代執行で撤去されたのは482戸しかない。
行政代執行が行われるとニュースになるので、世間では数が多いような印象を受けるが実際にはほとんど行われていないのに等しいのだ。
いくら空き家であるとはいえ個人財産である家屋を、大義名分のもと強制的に解体するのはハードルが高いのだ。
であるが、今回の措置は違う。
管理が不十分な物件を新たに「管理不全空き家」に指定し行政が指導を行えるよう法律が改正されるのだ。
ちなみに「管理不全空き家」は、放置すれば「特定空き家」になるおそれがある場合に指定するとされており、具体的には窓が割れていたり雑草が生い茂ったりしている物件など、かなりの部分で指定する市区町村の判断基準が優先されることになる。
現在までは空き家であっても、固定資産税については居住用であるとして土地についての特例措置があり下記のような軽減措置が用いられてきた。
小規模住宅用地(住宅やアパート等の敷地で200平方メートル以下の部分)
固定資産税:価格×1/6、都市計画税:価格×1/3
一般住宅用地(住宅やアパート等の敷地で200平方メートルを超える部分)
固定資産税:価格×1/3、都市計画税:価格×2/3
「管理不全空き家」に指定されれば、この特例がなくなる。
つまり軽減措置のない更地扱いとして固定資産税が賦課されることになるのだ。
これは効果があるだろう。
さらに2025年からは移転や住所変更登記も義務化されるのだから、放置することにメリットなど存在しない。
早めに転用や売却を検討する時代になったということだ。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹