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エージェントブログ
2023.02.19
2023年1月23日(月)の正午から全国の登記所備付地図の電子データが、G空間情報センターを通じ無償で一般公開されたことから、不動産業者の間でも「これで公図や法17条地図は、お金を出さなくても取得できる」と喜ばれた。
であるが喜びのつかの間、話題となったことからアクセスが集中し、それでも苦労して何とか地図データをダウンロードしても提供されているデータ形式は地図XMLデータである。
データを変換しなければ利用することができない。
デジタル庁からオープンソフトウェアとしてGitHUb上にでGeoJSON形式に変換するコンバータが提供されたのだが、これまた相応のスキルがなければ使いこなすことはできず、お手上げ状態になった方も多かった。
そもそもG空間情報センターによる地図データ公開の目的が運輸や農業などのプラットフォームに利活用とされていることから、不動産業者の経費削減に寄与するなんて考え方ははなからない。
データを取得する側がITスキルにおいて相応のレベルであることが前提なのである。
であるから法務省特設ページ内に設けられた利用案内においても「地図XMLデータを地図として開くにはソフトウェアが必要です」と書かれているだけで具体的な説明については一切行われていない。
私が担当を持ち寄稿している「不動産会社のミカタ」コラムでも、この公開が開始されてからすぐ登記所備付地図の電子データについての記事を寄稿したのだが、その中で「簡単に利用できるようになるには、そのためのシステムなどが公開されるまでしばらく待たなければならない」といった趣旨の内容で記事をまとめた。
であるがつい先日、2023年2月14日に株式会社昭文社ホールディングス(東京都千代田区)の子会社である株式会社マップルが、同社が運営するサイトのマップルラボにおいて地図XMLデータをベクトルタイルデータへと変換してくれる「MAPPLE法務局地図ビューア」を公開してくれた。
私も公開がリリースされてすぐに利用したが、Google Mapsと同様の感覚でサクサクと利用できる。
ちなみに下記のURLでダイレクトに法務局地図ビューアを開くことができる。
https://labs.mapple.com/mapplexml.html
画像をのせたいしリンクを張りたいのだが、それらを行うには株式会社昭文社ホールディングスに許可を得なければならないので割愛する。
初めて開いた際には、下記画像にあるように使用方法や注意事項などの説明文章が表示されますので目を通し最後にある「MAPPLE法務局地図ビューアを見る」をクリックすると地図データが開く。
使用方法については詳細に解説しなくても感覚的に利用できると思うが、地図の左右にある「〈〉」の記号をクリックすると左側は駅名や地名などで該当する地域を素早く開くことができまる。
枝番までの詳細な情報を入力しても検索してくれるし、札幌市などの大きな範囲での検索においては、下記図のように候補先を表示してくれます。
地図の右にある「〉」記号をクリックすれば、地図上で一筆の宅地などを指定した際の地区番号・市町村コードなどのほか、大字名や地番、面積などの詳細情報を表示してくれる。
地図上で地番や面積の情報が費用を負担することなく確認できるのであるから、画期的だと言えるだろう。
これにより地番が入り組んでいる地域や、住居表示が実施されていないのにもかかわらず通称がまかり通っている地域のほか、複数地番にまたがっている場合に代表的な地番を住所として登録されているような場合には、法務局に地番紹介しても位置を特定できず悩むこともありましたが、法務局地図ビューアを利用すればそのような悩みの大半は解決できる。
このようなデータがオープンに公開されるのだからよい時代になったものだ。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹