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エージェントブログ

2021.12.14

【法律家もつらい時代】

法律関連の資格は数多く存在するが(宅地建物取引士も立派な国家資格である)その最高峰は弁護士(司法試験合格者の意_裁判官や検事も含め)であろう。

 

ご存じかと思うが、弁護士は司法試験合格者である(司法修習生時代に成績上位者は裁判官や検事になる。むろん、志があって当初から弁護士を目指す方も多くいるだろうが)

 

資格系としては最難関だ。

 

巷では、資格さえ取得して真面目に仕事をしていれば「食いはぐれがない」プラチナ資格であるとされているが、実情はそうでもないらしい。

懸命に営業活動しなければ事務所経費や年間の弁護士会登録費を納めるのすら困難な方も多数おられるらしい。

 

原因は1999年から始まった司法制度改革だと言われている。

 

つまり日本版ロースクールである「法科大学院」が設置されたことにより、弁護士の数は加速度的に増加したからだとか。

 

弁護士の数は増加しても、裁判件数が比例して増加していない。

 

裁判件数が増加していない根拠を、具体的に明示しようと思い法務省のホームページで検索したのだが目ぼしいデータが見当たらず、致し方がないので微増としておく。

 

裁判件数が微増であるのに、弁護士が増加すれば過当競争が生じるのは必然であるし、あたり前の話ではあるが少しでも「優秀」な弁護士に依頼したいのが依頼者の本音であろうから、合格したけれども軒弁・イソ弁(司法の独立性から既存の弁護士事務所に籍を置き、個別に受任して活動する弁護士_RE/MAXエージェントも同じような感じであるが)すらままならず、即弁(事務所に入れないから即時に開業してしまう弁護士)となった弁護士にどの程度、依頼が舞い込むのか不明である。

 

レベルは天地ほどの差があるが、宅地建物取引士は資格保持者が履いて捨てるほどいる。

 

いつも言っているが「資格者=優秀」ではなく、業務を受任できる資格を有しているだけのことだ。

 

であるから不動産の経験がないのに、宅地建物取引士の合格と同時に不動産屋を開業すれば高確率で失敗するだろう。

司法試験合格者は司法修習生として最低でも1年間、経験豊富な実務法曹の指導によって法律実務に即した教育を受け,実務の場で必要な知識,技法を身に付けた後に試験に合格することにより資格を得るが、1年間では実務経験として覚束ないだろう。

 

はるかに独占業務範囲の狭い、宅地建物取引士ですら最低でも半年は必要であることを勘案しても短かすぎる。

 

何気なく日本弁護士連合会のホームページを覗いたら「即時・早期独立開業マニュアル」なるものが見られた。

 

このように弁護士の数が増加したと巷で言われているので調べてみたら、旧司(司法制度改革以前)の1999年からみればであり、登録弁護士の総数は2021年12月1日現在で43,030人程度しかいない。

 

多いと言えば多いのだろうが、厚生労働省のホームページで調べた医師の数は、歯科医師まで含めれば約400,000人(検索して得られた情報が2008年だから、現在はこれよりも増加しているのは間違いないだろう)だったから10%前後であろう。

 

同列で比較するのも如何なものかと思うが、コロナ禍により医療従事者の不足が叫ばれ、また限界集落においては医師不在の問題などが露呈しているが、それにしてもたいした人数ではないように思える。

 

個人的な趣味やコラムを執筆している関係もありRETIO(不動産適正取引推進機構)や裁判判例検索システムは毎日のように利用しているし、法務省のホームページを覗くのも日課にしている。

 

裁判所の公開している令和元年を含めた過去5年間の全事件数が350~360万件であり、全体の数字として大きく変動していない。

 

この中には弁護士が介入していない家事や少年事件も含まれるし、司法修習終了後、2年目ぐらいまでの弁護士に多く割り当てされるといわれる「国選」もあるだろうから、弁護士介入事件はどの程度あるのだろう。

 

複数の弁護士を抱える弁護士法人等への偏りもあるだろうし、完全な分業制である「過払い訴訟」専門の事務所など、書類作成業務のほとんどをパラリーガル(弁護士事務所の事務職)がおこない弁護士が職印を押すだけなんて弁護士法に違反しているのではと危惧される事務所もあるのだから、経験の少ない「即弁」が受任できる事件はどれほどあるのだろうか?

 

ちなみにではあるが、個人として信頼を寄せている弁護士の知己もあるので「相続・境界・近隣トラブル」のほか、どのような法的相談のも連携して対応することができる。

 

不動産も同様だが、法律職も結局のところ「信頼に値する実力が備わっているか」が大切なのだろう。

 

記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹