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エージェントブログ
2022.02.01
パートタイム・有期雇用労働法において一定規模以上では2020年4月1日から、中小企業では2021年4月1日よりすでに施行され、労働者派遣法においては本年度、2022年4月1日より施行される「同一労働同一賃金」であるが、不動産営業にそぐわない。
働き方改革法案の一手として、非正規雇用の方々からは好意的に受け入れられている制度であり、正規雇用との賃金・待遇格差をなくすためという点で評価できる。
有期雇用は身軽な分、希望職種や勤務地・勤務条件を柔軟に選択できることがメリットであるが反面として給与面で冷遇される。
「同一労働同一賃金」はセーフティネットの改善であるが、根本的な解決にはなりえない。
正規雇用に関しては労働契約法によって労働条件の不利益変更が厳しく制限されているが、非正規雇用の場合には簡単に雇用調整の対象にされているからだ。
有期労働契約が5年を超えて更新された場合に有期労働者が意思表明することにより、期間の定めのない労働契約に転換される無期転換ルールもあるが、結果的には有機転換を避けるために企業の雇止めを誘発させているに過ぎず、そうではなくても有期契約労働者に対して、新たな(低い)労働条件での契約更新の申し入れと現在の契約の破棄を同時になす(変更解約告知)といった話を耳にする。
業績不振により販管費を拠出できないなど、企業側にも様々な事情はあるのだろう。
であるが雇用側の立場で考えて見よう。
例えば経理事務の場合において、いいかげんなミスだらけの書類を作成し定時に帰る人もいれば「絶対にミスをしない」とばかりにコツコツと仕事をする人もいると思うが、この両者の賃金が同一なのは解せない。
比較的優劣の評価が難しい事務職であるからある程度は仕方がないとしても、不動産営業の場合はどうだろう?
経営者にとって有難い不動産営業マンは「顧客の信頼を得て・ミスがなく・売り上げを上げる」人間だ。
あからさまな犯罪行為さえ自重すれば、後は売上さえ上げてくれれば他はどうでもいいなんて会社もあるだろう。
不動産営業は契約歩合方式が多いが、それは「時間=成果」ではないことに起因する。
執筆を「業」としていることから、各国の労働環境や雇用契約などの文献を調査することもあるのだが、先進国で「同一労働同一賃金」という考えを持ち出すのは日本以外にありえない。
「和を持って尊しとなす」という儒教の教えが根底にあるのか、一億総中流と言う蜃気楼をいまだに追い続けているのか知らぬが、例をあげればアメリカで新卒一括採用・同一初任給なんて考え方が、そもそも存在していない。
新卒であれば出身大学やスキル・保有資格、中途採用の場合にはそれまで経験した業務内容や範囲・業務の難易度・資格の有無などを詳細に「ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)」に記載し、雇用側はそれらの内容を吟味し面談をおこなって給与を決定する。
その後、成果により給与や地位が上がる場合もあれば三下り半をつきつけられ、私物をまとめた段ボール箱を手に追い出される姿は映画などでみかける光景だ。
そこまでのビジネスライクな扱いは日本で受け入れがたいのだろうが「同一労働同一賃金」が義務化されてから、雇用数日で解雇する使い捨て採用が増加しているのはご存じだろうか?
高齢者や女性の雇用に関して、特に増加したようだ。
労働基準法の試用期間中(3か月程度が多いが、期間について定めはない)において、労働者は不安定な状況におかれるがそれでも解雇するには30日以上前の告知もしくは30日分の平均給与を支払うことが義務付けられている。
ところが雇用開始から14日間以内であればそれらは不要だ。
有期雇用の場合には労基法17条で
「使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」
「使用者は、有期労働契約について、その有期労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない」
と定められているから「同一労働同一賃金」で、有期雇用者の能力によらず給与を払うぐらいなら、多少なりとも有能な人材を確保するため労基法の盲点とも言える短期解雇を繰り返す結果をまねいている。
長引くコロナ禍により業績が逼迫している企業であれば、死活問題として苦渋の決断をしているのかも知れぬ。
話を戻すが、私たちは最低賃金引き上げや同一労働同一賃金が非正規雇用などにたいする救済ではなく、政府によるパフォーマンスであると気が付かなければならない。
「成果=収入」という分かりやすい方式で、能力とやる気があるのに就職先がない女性やまだまだ働けるとの自信がある高齢者の方は「新しい働き方」としてRE/MAXエージェントを検討してみたらどうか?
断っておくが同一労働同一賃金どころか固定給もない。
かわりに時間の拘束もない。
実績を出せば報酬は青天井だ。
分かりやすいといえば分かりやすい。
不動産経験があるに越したことはないだろうが、まったく経験が無くても実績をあげているエージェントが、世界中に沢山存在している。
なりたい自分を実現する手段として検討してみてはいかがだろうか?
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹