NEWS
お知らせ
エージェントブログ
2022.03.25
3月も後半、4月は移動時期でもあり不動産業者の繁忙期となる。
コンサルティングや講演、執筆を中心として業務に勤しんでいても繁忙期である。
先日のブログでも紹介したが東京から「不動産会社のミカタ」荒川社長にお越しいただき「任意売却の取り扱い方」についての研修動画を撮影して戴いたが、その初稿が出来上がりチェックにも余念がない。
なんせ不動産業者に「任売」を理解して戴くための研修用動画であり有償商品である。
クオリティーの低さは講師(私)の知性と容姿までに止め、内容については販売価格に見合うものでなければお買い上げいただく皆様に申し訳がない。
うまく編集していただこう。
さて本題である。
令和4年3月22日に地価公示価格が公表された。
「不動産価格」と聞けば単純に販売価格を思い浮かべる方が多いだろう。
実際に「売り・買い」される価格であるから、当事者双方にとってはこれが不動産価格であるといっても間違いではないが、厳密に言えば「販売価格」である。
あくまでも売り主の意向を勘案して査定を行い、販売している価格である。
契約前には値引きなどの条件交渉が入る場合もあるので、実際に契約になった価格は「成約額」と呼び分ける。
更に相続税などの計算根拠とされる「路線価」や固定資産税の計算根拠となる「固定資産評価額」などがあり、それぞれ目的別に異なる価格が存在する。
不動産価格が「一物四価(一つの物件に対して四つの価格が存在すること)」などと表現される所以だ。
これらについて解説すると長くなるので割愛するが、公示価格はそれら複数の価格においてもっとも中心的な役割を持つ価格である。
国土交通省から私たち不動産業者が査定をする場合において「参考」にするべき価格とされており、実勢に近い指標ともいえる価格である。
であるから、毎年のように公示価格が公表されると不動産アナリストなどが動向調査を実施する。
。
ちなみに公示価格は「地価公示法」という法律により、厳格に方法や手順が定められている。
具体的には国土交通省土地鑑定委員会が、一般土地の取引指標価格にするために毎年1月1日時点の1㎡当たりの正常な価格判定をすることが目的とされているからだ。
調査をおこなうのは全国で166分科会に所属する2,348人の不動産鑑定士である。
その鑑定士が26,000地点について選定及び確認を実施し、その結果を分科会等における議論を実施し、その後、鑑定評価に基づき価格が決定される。
それでは全国的な傾向を見てみよう。
全国的には住宅地・商業地のいずれも2年ぶりに上昇に転じた。
新型コロナウィルス感染症の影響が徐々に緩和される中で、全国的な回復傾向が見受けられたということであろうから喜ばしい。
特に住宅地の上昇傾向要因としては都市中心部の希少性が高い住宅地の上昇率が高く、交通利便性等に優れた住宅地の地価上昇は継続的であり、ライフスタイルの変化による需要者ニーズの多様化により、希少地の周辺部にも上昇拡大の影響が及ぶ傾向が見受けられる。
さてそこで気になる、最も価格の高い地域はどこかと言う話であるが、例年のごとくザギン………もとい銀座である。
更に詳しく述べれば、中央区銀座4丁目2番4『銀座4-5-6』山野楽器銀座本店である。
つまり写真の場所であるが、この何気ない風景の令和4年の1㎡金額は¥53,000,000円。
1坪、つまり畳2枚の大きさで¥174,900,000円。
数字を数えるのが面倒くさい人のために漢字で表記すれば1億7千490万円である。
畳1枚分で8億7千450万円………
税務署に見つからないよう密かに貯めているブタさん500円貯金箱を、清水の舞台から飛び降りたつもりで割っても、手付金にすら及ばない。
おそるべしザギン
さて全国的な上昇率に目を戻せば、もっとも高かったのが私の活動する北海道は北広島市であった。
北広島-1(令和4年標準地地価:46,000円/㎡ 変動率:+26.0%)
北広島5-2(令和4年標準地地価:67,000円/㎡ 変動率:+19.6%)
北海道の人口が集中するのは札幌市であるが、その周辺地域で相対的割安感とより広い居住空間を求める需要者のニーズを受けて住宅需要が波及している。
そのような傾向から地価の上昇が継続する中、インフラ整備進捗などの効果も背景にはあるのだろうが、北広島駅西口再開発事業が手掛ける日本ハムの本拠地となるベースボールパーク建設に牽引され、周辺部が軒並み値を上げた結果だ。
この価格上昇にはBig Bossこと日ハム新庄監督によるPR効果も高いであろう。
奇抜なファッションに奔放な言動など、とかく職人気質もあるプロ野球会では賛否両論ある新庄監督であるが、彼らはプロである。
球団の認知度を高め、勝率を上げるという結果が全ての世界であるのだから、彼を監督に推奨した球団の先見性は大したものだ。
自慢ではないが私は根っからの格闘家で球技は苦手、フライさえまともに取れぬくせに体育教師の免除は得ている。
正確に統計をとった訳ではないが「柔道部と野球部は仲が悪い」と都市伝説であるがごとく言われており、背景に華やかな世界とは無縁の柔道界のやっかみが内在していると思われる。
その例に倣うわけでもないが、この歳になって野球の細かいルールをよく知らない。
日本国民全員がプロ野球ファンだと思いこんでいる方に「どちらの球団ファンですか?」と質問されればシカゴ・ホワイトソックスと答えるようにしている。
イリノイ州シカゴに本拠地を置いているという以外、監督や選手を一人も知らぬが、おそらくは相手も知らぬと思ってこれで通してきた。
もっとも昨今は話を繋いでくる方もおられるので注意している。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹