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エージェントブログ
2023.05.20
新築価格の高騰に牽引されるかのように中古市場も値をあげ、2023年公示価格は全国平均で上昇に転じた。
とくに首都圏においては顕著で東京23区内の新築分譲マンションの平均価格は1億円に迫る勢いだ。
さすがにこの金額になれば2023年1月の全国平均初年度年収である454万円では、収入合算してもおいそれとは手が出ない。
そこで新築は欲しいのだけれど「手が出ないから中古で……」と妥協して、程度の良い中古住宅を探す方が増加したのも値の上がった理由の一つとされている。 だが中古市場の高値もあと半年程度と囁かれている。それ以降は減少に転じると、数多くの不動産シンクタンクで予想されているからだ。
その理由をまとめると概ね以下の3点に大別される。
1つ目は、新築を諦め中古購入を検討したがそれすらも手が出ない金額にまで上がってしまっていることから購入を断念した人が増加したからだ。需要がなければ供給価格は見直される。どの時代においても同程度の条件であればより割安な物に注目が集まり、高値に固執すれば売れ残ることになる。
早く売りたい方は、市場価格よりも少し斜め下の金額で売り出す。当然、他の物件よりも早く売却できるだろう。
バブル末期時にもあった「ババ抜き」状態である。
2つ目が高騰限界だ。
新築価格の高騰持続はすでに限界近くにまで達している。過去からの不動産価格推移をみても、需要と供給のバランスや経済状況の変化などが影響し価格変動している。
そこから新築価格が一定の水準に到達すると需要も減少しているのが明らかにされているのだ。
そうなれば「売り抜けるため」新築業者も我先にとダンピングを始める。必然的に中古市場も引き連れる形で価格が下落する可能性がある。
3つ目が中古供給の増加だ。
高値で取引される中古住宅市場において、売り手側からの供給が増えるている。高騰した価格につられ売却を検討するオーナーや投資家が増えることで、中古住宅の供給量が増加する。
それがすぎると所謂、飽和状態が生まれる。
それにより需要と供給のバランスが崩れれば市場価格も下落に転じる。
原油高などの理由による資材価格の高騰や人件費の増加により、新築価格が下がるのは数年先のことだと予測されている。
もっともこれまで述べてきたことは、シンクタンクなどの見解を用いた推測にすぎない。不動産市場における価格変動は、需要と供給のバランス、経済の動向、政府の政策、金融状況、資材価格など様々な要素によって影響を受ける。一つの側面だけで予想できるほと単純なものではないからだ。
不動産市場は長いスパンでみれば常に上昇と下降を繰り返している。結局のところ時期を見誤らず自分で売り時・買い時を見極めることが大切だということだ。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹