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エージェントブログ
2021.06.13
ブログタイトルを見て、どこかで見た覚えがあると感じた方はそうとうに本を読んでいるかただろうと思う。
もしくは、私と同世代である可能性が高い。
これはかってウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮するなど、世界的にも知られる名指揮者、小澤征爾氏のエッセイ
【ボクの音楽武者修行】をもじったものであるからだ。
写真_小澤征爾音楽塾HPより
同世代である可能性が高いとした理由は、道徳だか音楽だか忘れたが当時の小学校低学年の教科書に一部、このエッセイが採用されていたことによる。
お読みになった方はご存じだろうが、このエッセイは小澤氏の自由奔放でポジティブな内面が吐露された秀逸な作品である。
氏の音楽に関する才能は世界がみとめるものだが、文才においてもその才能に驚愕せざる得ない。
エッセイは小澤氏の履歴からはじまり、日本を離れパリまでの道程やドイツ・ノルマンディなどへの渡航遍歴、シャルル・ミュンシュへの弟子入りなどを赤裸々に語り、最後に唯一の財産であるスクーターを道連れに貨物船に乗り込み、最終的に飛行機で日本に帰国するまでをエッセイにしている。
氏は、おおよそ2年半の海外音楽修行の過程を終えエッセイを上梓されたが、あとがきが昭和37年2月であるから、かれこれ59年も前の話だ。
あとがきに書かれているが「最後まで本を読んでくれた人がいるとしたら、大変にお礼を言わなければならない。なぜなら音楽家が文字を書くこと自体に無理があるし、ましてや本を作りあげるということは不可能に近い」といった趣旨のことを書いている。
氏は2年半の武者修行時代にブサンソンのコンクールで入選するなど実績も残し、シャルル・ミュンシュのほかにもカラヤンとの知遇を得て薫陶をうけるなど、当時の情勢から考えても素晴らしい経験を積まれ、それをエッセイにしているのだから面白くないはずがない。
もちろん出版社から、鬼の赤(文章なおしのこと_赤まみれの原稿が突き返されると、心が折れそうになる)が入ってはいるのだろうが、個性のある文章として仕上がり、読んでいて面白い。
当時のことは知らぬが、SNSやFacebookなどない時代であるから、文章を書くのも作文などの授業に関連するものに限られ、けして得手としていたわけでもないのだろうが素晴らしい出来だと思う。
それにくらべて……
最近の傾向でもあろうが、文章の乱れは酷い。
言葉の乱れも同様であるが、文章を意識して書くといった必要がなかったのだろう、接続詞や比喩、敬体と常体の混同などあげればきりがないほど体裁をなしてない。
上手くはないが、そこそこ書ける現役不動産業者と言う立ち位置は存在も稀有らしく、毎日のように執筆オファーが入ってくる。
一日の執筆時間は決めており、かつ継続的に執筆している出版社を優先して受任しているのでオファーの大半は丁重にお断りするのだが、私程度の書き手に依頼が殺到するのは、まがりなりにも文章をかける不動産業者が稀有であるということが理由ではないだろうか?
記事の参考にするため日本全国の不動産業者ブログを定期的に巡回し閲覧しているのだが、年配で社会経験もそこそこあるのだろう不動産業者が顔写真つきで、稚拙な文章を露出しているのだから若い世代にたいする文章の乱れを指摘することなどできないのかも知れぬ。
そんな流れから、今回のブログタイトルである【ボクの不動産武者修行】(仮称)の執筆依頼が全国的に有名な某出版社からあり、毎日コツコツと執筆している。
第1章
【菱形のマークがついた張り紙のしてある占有ビルに単身で乗り込んだら、拉致監禁された件】
こんなもの読みたい人がいるのだろうか?