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2022.09.22
全国21,444地点を対象に毎年国土交通省から公表される都道府県地価調査が9月20日に公表された。
発表される価格は毎年7月1日時点の価格を調査した結果であるが、1年間の地価動向を知るうえで参考になる公的価格の一つである。
バブル経済以降で何と31年ぶりに住宅地の全国平均価格が上昇に転じた。
上がっているとは思っていたが、全国平均でも上昇に転じたか……
ちなみに住宅地を含む全用途平均及び商業地は3年ぶりの上昇である。
三大都市圏における住宅地は東京圏・名古屋圏では2年連続上昇しているが、今年度はさらに上昇率が拡大した。
ちなみに大阪圏は2年ぶりに下落から上昇に転じている。
地方圏においては全用途平均や住宅地・商業地は下落が継続している地域も多いのだが、下落率は縮小傾向となった。
要するに三大都市圏を含む主要都市の地価が上昇し、地方圏の下落を補ったことにより全国平均が上昇に転じたという結果だ。
気になる地価は国土交通省から提供される下記リンク先のシステムで確認することができる。
システムでは毎年1月1日時点の価格調査である公示価格も確認することができるが、今回、公開されたのは都道府県地価調査の結果である。
多少、ややこしいので解説しておこう。
不動産価格は「一物四価(人により五価)」と言われるように実勢価格を初め4種類の価格が存在する。
1.実勢価格(一般に取引される価格)
2.公示価格(全ての不動産価格の参考にされる価格・都道府県地価も公示価格の一種と言える)
3.固定資産評価額(公示価格の70%前後が目安)
4.相続評価額額(相続税評価の基準)
目的がありそれぞれの価格が決定されている。
このうち全ての価格に参考とされるのが公示価格であるが、公示価格は地価公示法に基づいて、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公示する標準地の価格である。
公示価格は公共事業地の取得価格算定の基準とされるほか固定資産税評価や相続税評価の基準ともされ、私達、不動産業者が査定を行う際に参考にする公的価格となる。
であるが公示価格で調査される基準地は全国で約26,000箇所で、参考にするにはまったく足りていない。
そこで国土利用計画法施行令第9条にもとづき都道府県知事が、公示価格の基準地と重複しないよう調査地点を選定し、毎年7月1日時点における標準価格を判定したのが都道府県地価調査である。
公表は国土交通省から行われているが、実際の調査は都道府県知事により指示され実施されているのだ。
目的は公示価格と同じく土地取引規制に際しての価格審査や地方公共団体等による買収価格の算定の規準ですから、公示価格を補完する目的で21,444地点の調査結果が公開されていると理解すれば良いだろう。
さて話を戻すが、今回公開されたのは都道府県地価調査である。
先程、紹介したシステムを利用して検索条件を指定する際、上記の図のように「都道府県地価調査のみ」とすれば、都道府県地価調査のみを確認することができる。
そうすれば指定した地域の最新都道府県地価がズラリと並ぶので、気になる標準地を見れば良いだけである。
ちなみに下記は、私が活動する札幌市の中央区エリアであるが……
㎡単価20万円前後、つまりは坪約60万円の数字が並んでいるが…買えないなこの価格じゃ。
指標とされる価格であるから実勢に近いと言われているが、札幌市における最近の値上がりはこんなものではない。
参考程度には利用出来るが、価格が上昇傾向にある三大都市圏や主要都市では実勢価格とは開きがあるのが実情だ。
参考程度には利用出来るが、価格が上昇傾向にある三大都市圏や主要都市では実勢価格とは開きがあるのが実情だ。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹