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エージェントブログ
2022.11.30
12月に入れば「師走」である。
「師走」は師が走ると書くが、文字どおり陰暦12月には正月を控え師が走り回るほど多忙になるとの「意」だ。
もっとも僧侶の「師匠格」が経をあげるため東西に馳せ参じる月としての「師馳す」が語源であるなど諸説ある。
このような語源を調べるのも面白いのだが、こちらも何かと多忙につきのんびりと趣味に走っている場合でもない。
当人は別段、長期的な休みをとる予定がなくても、まわりが休んでしまうのでそれに併せたスケジュール調整が必要だからだ。
無事に正月をこすため最後の踏ん張りではある。
さて年の瀬について映画やドラマなどでよく用いられる台詞に「正月を超す金がなぇ」なんてのがある。
帰省や旅行、お節料にお年玉などとかく正月は「金」がかかる。
前項の台詞などはそれを表現したものであろうが「金が全てじゃねぇ」と言っても、なければ困るのが「お金」である。
コロナ渦以降、住宅ローンの支払いに困窮した方からのコンサルが増加したが、その際には「延滞する前に、金融機関に支払い見直しの相談を」と言い続けてきた。
「何となく金融機関に相談するのは恥ずかしくて」なんて思う必要はない。
金融庁から各金融機関にたいし「住宅ローンの見直し相談があった場合には、応じるように」と通達が出されているからだ。
努力義務ではなくなかば「命令」なのだから遠慮は必要ない。
逆に数ヶ月、延滞してしまうと「期限の利益の喪失(きげんのりえきのそうしつ)」を一方的に宣言され、結果、一括弁済を迫られることになる。
これはお金を貸します・借りますの契約書である金銭消費貸借契約に必ず記載されている条項であるから、合法である。
期限の利益を喪失すれば、分割で返済することができなくなるのだから、残るは一括で返済するか任売・競売へ移行するかしかなくなる。
任売に関する解説動画に出演し、そればかりがキッカケではないが各種メディアから「任売」に関しての取材や執筆の依頼が多数あったが、その影響もあったのか、住宅ローンの支払いに困窮した方からのコンサル依頼も増加した。
困窮する理由はなにもコロナによる影響ばかりではない。
震災等などにより住宅や事業融資の返済に困窮した方にたいしては「自然災害救助法」を適用させることができる。
自然災害債務整理ガイドラインにもとづき、借入先の金融機関にたいし手続き着手の宣言をしてから始める一連の手続きである。
これにより特定調停を申し立て、一定額の債務を軽減し、収入や資産内容に応じ現実的で可能な範囲内での返済を実現することができるのだ。
これらの手続きは「期限の利益の喪失(きげんのりえきのそうしつ)」まえに行わなければ、金融機関との交渉が難航し、場合によっては応じて貰えず「競売」になる。
悩む前に相談が大切なのだ。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹