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エージェントブログ
2023.01.10
正月も特段、休むこと無く仕事を続け今朝(1月10日)も日の明けきらぬ早朝からセコセコとコラムを執筆している。
必要に迫られ、国土交通省のデータベースから情報を検索しているのだが、改めて考えさせられるのが下記のグラフである。
住宅取引件数全体のうち既存住宅、つまり中古住宅の取引量を表したものだ。
アメリカでは79.3%、イギリスにおいては91.4%が既存住宅の取引である。
それにたいし日本は、わずか14.5%である。
全体取引量のほとんどが新築を中心として取引されているのだ。
これは世界的に見てもかなり異常な数字である。
私は新築住宅の営業経験もあるので、新築の良さについては無論、理解している。
何よりも他人が住んだことがない新築は、やはり魅力的である。
であるが当初、どこもかしこもピカピカであった新築住宅も人が住めば築浅中古となり、やがてごく一変的な中古住宅となる。
とはいえ購入予算に余裕があれば、そりゃ新築住宅の方が良いだろう。
それも分かる。
手垢のついていない壁紙に、まだ一度も使用されたことのないキッチンや浴室などの水回り設備。
どこもかしこもピカピカで、気分が踊るものである。
それは分かるがコロナ禍以降の建築資高騰は、ソ連によるウクライナ侵攻でさらに原油高がくわわり、おまけにインフレである。
であるから建築価格は天井知らずで上昇している。
さらに土地価格も上昇しているのだから、主要都市の新築販売価格は一般的な勤め人が無理しても手に入らない価格にまで押し上げられている。
それでも気にせず購入できるのであれば良いのだが、なかなかそうはいかないだろう。
不動産相場は「波」のように上下するものだが、現在のところ減少傾向に転じる要素は見当たらない。
多少、影響があると考えられるのが来年、2025年(令和6年4月1日)から施工される相続・移転登記義務化によって、所有者不明地(空き家含む)などが市場に出回る可能性である。
もっとも、巷で期待されているほどには一気に市場に出回ることはないと、個人的には思っている。
効果が現れるのはさらに数年を経てからであろう。
不動産の購入は居住するなど目的を満たすことが最優先であるが、もうひとつ資産形成という意味合いもある。
住みながら資産形成するという点を重視すれば、新築より既存住宅のほうがはるかに有利となる場合も往々にしてある。
もっとも、物件の見極めや適切な相場観は必須ではあるが、そのような知識格差を埋めるための相談先として不動産エージェントは適している。
組織に縛られず、依頼するクライアントの利益だけを追求し、適切な対応を取ることが可能だからだ。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹