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エージェントブログ
2022.06.01
プレジデントオンラインに不動産業者としては興味深い記事が掲載されていた。
詳細な内容は上記のリンク先より記事をお読み戴ければと思うが、要約すれば築42年・3LDKの分譲マンションを売却し、その資金と退職金と合わせ、新たに融資を受けず新築マンションに住み替えようとした計画が頓挫して困り果てたという内容である。
不動産業としては「ツッコミ」どころ満載の記事内容ではあるが、まず最初の仲介業者が「専任媒介」で依頼したが販売活動を積極的に行ってくれなかったのが躓きの1歩目だ。
その後、一般媒介で他社に依頼し、内見客も訪れるのだが……
「駅までの距離が遠い」「旧耐震」である「修繕積立金の積立額が少ない」などの理由でなかなか販売がうまくいかない。
そこで大幅値下げして販売をし、購入検討者が表れるも
「旧耐震で住宅ローンの審査が降りなかった」との理由で購入見送り
売れるものと見込んで、すでに住み替え先のマンションを契約しているものだから困り果て、融資相談に赴くも66歳では年齢制限で貸し出しが受けられずに苦戦し、ようやく完済年齢80歳の大手金融機関が融資を引き受けてくれたとのこと。
買い替え先との売買契約では「現金購入」としていたのだろう、万が一、融資承認が得られない場合に無条件で白紙となる「ローン条項」もつけておらず、また住み替えであるのに万が一、売却できなかった場合に契約解除できる「買い替えの特約」もつけていなかった。
この場合、新築マンションの販売業者に落ち度はない。
当然に資金計画は聞いているだろうが「売り・買い」を切り離しているのだから、先述した特約を設ける必要はないからだ。
ツッコミどころ満載としたのは、このような場合、売り買い連動して計画しなければ「ドツボ」にはまるからだ。
仲介業者に、売却できなかった場合の「買い取り保証」を付けてもらい、その最低保証額を基準として資金計画を考えなければならない。
そもそも査定金額はあくまでも「概ね3か月以内に売れるだろう」という目安の金額である。
目安であるから「必ず売れる」という保証はないし、また業者ごとに査定方法も異なるので金額に「差」があるのも当然である。
また取扱物件欲しさに、極端な「高値」で査定してくる業者もあるが、このような業者に依頼するのは論外である。
物件には「相場」が存在し、特段の事情でも存在しない限りそのような高値で売れることはない。
また「旧耐震だからローンが受けられない」ということはない。
確かに担保掛目は低くなるが住宅ローンの場合、重要視するのは個人の属性である。
つまり勤務先・年収・借入状況などを重視して貸し付ける。
であるから、まったく借りられないなんてことはない。
結局のところ、このような総体的な説明をしてくれ、リスクヘッジの提案をしてくれる営業マンと出会えなかったということだろう。
記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹