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NEWS

2022.05.22

【電子契約の落とし穴】

重要事項説明書等を事前に郵送して、書面の到着確認後、スケジュール調整後にZoomなどの画面上で説明、締結をおこなうIT重説はすでに解禁され多くの不動産業者が利用していることだろう。

 

先日から書類の郵送を必要とせず、決済を除く全ての契約行為がオンライン上で完結できる「電子契約」が解禁となった。

 

メリットとして

時間節約

移動を必要とせず、当事者の合意があれば時間を気にせずに契約ができる

●印紙代節約

オンライン上で完結させられる状態に限り、印紙の貼附が不要

●郵送代不要

書類の郵送を必要としない

 

が挙げられ、導入による経済的効果は高い。

たしかにメリットは大きいのだが、同時に当事者理解や利用する者の熟練度・知識が求められるという問題点も指摘されている。

 

「とりあえずやってみるか」というほどには簡単でないからである。

 

そもそも同業他社に電子契約の話題を振っても、メリット・デメリットが正確に理解できていない「者」が大半である。

考えてみれば民事裁判に限り、申立から口頭弁論や証人尋問、判決・訴訟記録の閲覧にいたるまでをオンラインで完結させる改正民事訴訟法等が5月18日、参院本会議で賛成多数で可決、成立しているのだから、いずれはスタンダードになっていくのだろう。

不動産業に話を戻し、「電子契約」について簡単におさらいすると

 

電子契約で締結することに全ての当事者が「合意」した上で、重要事項説明書や売買契約書等の全ての書類がネット間でやり取りされる。

 

電子契約システムを導入していることが前提だが、その利用により

 

「電子署名」

「電子証明書」※印鑑証明書の代わりとなる

「日時証明」※契約を締結した日時の証明

「タイムスタンプの刻印」※その日時以降に文書が改ざんされていない証明となる刻印

 

が可能となり

 

電子契約データは企業内サーバーやオンラインストレージ上に保管される。

 

これらにより、「電子文書の改ざんや署名の偽造が防止され、署名の本人性が担保できる」状態となる。

もっとも契約当事者の皆が、「電子契約」に対応できる可能性は、現在において著しく低いであろうから、不動産業者が「当社も時代に乗り遅れてはイケナイ!」と慌ててシステムを導入しても、実際に使用される可能性は低いだろう。

 

なんせ最低限、下記のポイントは抑えておかなければならないからだ。

 

1. エンドユーザーに対する電子契約の告知
2. 契約に関わるすべての人が電子契約の対応が可能であること
3. 電子契約を推進するための社内体制及び教育

 

特に共同仲介などで電子契約に対応できない会社が関わった場合、どこかで紙の書類が発生してしまう。

 

結局は完全電子化は不可能となるからだ。

 

当面は知識を拡充しつつ、様子見が正解だろう。

 

記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹