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NEWS

2022.06.15

【省エネ義務化】で変化する構図

新築住宅の省エネ義務化を柱とする改正関連法が6月13日、参院本会議で可決、成立した。

 

これにより着工前に住宅の構造を調べる建築確認審査の際、断熱性能やエネルギー消費が基準に適合しているかどうか判定し、未達成なら自治体が是正を命じられることになる。

 

脱炭素化を達成するために「2025年までに達成する」という目標を掲げ、ZEHの補助金を活用しながら建築業界への普及を促進してきた政府であるが、

「その時になったら考えれば良いよね~」という日和見的な工務店等も多く、遅々として進まぬ業界の対応にしびれを切らしてという訳でもないだろうが、既定路線どおり民生部門まで含め完全義務化に踏み切った。

当然の流れではあり予測の範囲内でもあったのだが新聞報道を見る限り、突然の義務化という感じを受けてしまう。

 

もっとも「脱炭素化」は世界基準であり、日本が世界に向けて行った約束であるから義務化は当然であろう。

 

であるが、これまで日和見的に価格優先の住宅を建築してきた工務店は、死活問題になるだろう。

技術的には省エネ基準に適合させることは難しくないが、ローコスト系の工務店等は性能基準を下回っていることが多く、適合させると建築価格が跳ね上がるからだ。

 

性能にこだわりを持ち、すでに省エネ基準に適合しているハウスメーカーや工務店は、今まで通りの住宅を建築すれば良いだけなのだから困惑することはない。

 

省エネ基準に適合させるには、建築時に採用する断熱材や窓を適合する製品を使用する、もう一つが照明・給湯などの設備機器を、同様に省エネ基準に適合したものを採用するだけのことである。

 

であるがご存じのように、木材は高騰している。

 

例えば構造用合板一つをとっても、従来の2.5倍以上の価格をつけているというし、そもそも供給量が不足して品薄状態が続いている。

高騰しているのは木材だけではなく、設備機器の部材、つまりプラ・鉄・アルミなど軒並み値上げしているので、そこに断熱材や設備機器の価格が加算されれば「ローコスト住宅」などはローコストではない普通の住宅価格になる(それでも全体の市場相場から見れば安いのだろうが)

 

従来から省エネ基準に適合した住宅を建築し実績を積み上げてきたメーカーと、慌てて適合させ価格も普通の「家」に成り下がった工務店の、どちらをユーザーが選択するのか興味深い。

 

また我々、仲介業者も2025年以降は、省エネ基準に適合していない中古住宅の査定評価においては、建物価格ではっきりと「差」をつける必要性も生じるだろう。

 

税制などの様々な優遇面で、政府が色分けしてくることが予想されるからだ。

 

記事執筆担当_不動産エージェント 奥林洋樹